ignorant of the world -散在思考-

元外資系戦略コンサルタント / worked for a Global Management Consulting Firm in Tokyo

市場や競合を正しく分析するのって意外と難しい

Fighting frenzy

仕事柄、各事業が対面している業界や環境変化について、日々、キャッチアップしているのだけど、その解釈が思いのほか難しいんですよねー、という話をしたいと思います。

 

年末年始に、みなさん振り返りや構想を練ると思うけど、私も改めていろいろ考えてみました。

ここ数年間がんばってきたし、その間にたくさんの経営判断と意思決定をしてきました。その時の前提となるインプットと解釈を思いつくままに棚卸しして、正しかったのか、盛大に誤解していたのか、とかを考えるんですよね。

そこで痛切に感じるのは、ベンチャー界隈の栄枯盛衰や、既存の大手事業の成長・収益について、半年〜1年くらいで驚くほどコロコロ評価が変わるので、意味のある外部環境の分析すらも難しかったなぁ、ということです。

 

前提となるインプットは、ニュース記事やインタビュー記事、上場企業ならIR開示資料などなど多岐に渡ります。ほかにも、出資先からの情報、転職した元社員からの情報などから、内情をよく知ることも多いです。

たいていのスタートアップは、残念ながら、派手なニュースや社長のパフォーマンスから受ける印象と、ビジネスの実態はかけ離れていることが多いです。数字も絶好調!と聞いていた会社ですらも、数ヶ月後に苦戦している話を聞いたりする。

 

なので、ビジネスのトラクション(売上、MAUの成長)があるかどうかは、投資家目線でより重要視されてきているし、同時に、しっかりトラクションが出ている会社ほど時価総額(valuation)があがってきています。

 

2019年後半にかけて堅実な会社は、ひとしきりIPOしきってしまい、怪しい会社やハリボテの会社との勝敗が明確についてしまった感もあります。また、明確なトラクションがある会社の大型調達も一巡しました。

 

 “Fake it, until you make it.” というお作法は必要だとは思うものの、セラノスやWeほど悪質ではなくとも、日本国内でもチラホラ大型調達済みの会社で破裂しかけている、ステークホルダーが逃げ出している会社も出てきまた。

note.com

 

 

有名どころでは、社長退任のF社、逆ザヤユニコーンのP社、もはや老舗となりつつある動画銘柄3〜4社、などなど、出口が見えなくなってきています。

ただ、そんな会社ですらも、いまオワコンとして断罪することはできないのです。バーンレートを調整しながら、再浮上するだけのチャンスはまだまだあるし、実際、半年後に絶好調になった事例も山ほどあるわけです。

最近上場した会社も、当然、創業当初から一本調子なはずもなく、オワコンと呼ばれながら足掻き続け、成功する道を辿っています。

だから、私も目を離さないし、アンテナを張り続け、自社の競争戦略に活かそうとしているわけです。

 

(次の記事に、つづきます)