ignorant of the world -散在思考-

元外資系戦略コンサルタント / worked for a Global Management Consulting Firm in Tokyo

来週の出張とトップの仕事の狭間で

Look Up

ぼくは同世代・同規模の経営者と比べて、出張や会食を(意図的に)少なくしている方だと思う。

毎日、出張や会食で予定埋めている人を見ると、「暇なんかな?」「趣味かな?」「順調なのかな?」と。そんな時間あるなら、会社のことに集中するか、趣味や家族の時間を豊かにしたいな、と思ってしまう。

 

単に人望がなく、出張や会食に呼ばれないだけ説もありますが(胸が痛い、、、)、個人的には、目の前の事業や組織に集中していればいるほど、外へ出て行く気力が減退する。

逆に、暇なときとか、集中しきれず迷いがあるときに、刺激や新しい視点を求めて、外に出向く機会が増えるように思う。

 

そんなぼくでも、来週には、数少ない出張のなかでも楽しみな出張がある。詳細は企業秘密ですが、地方でのどでかいイベントプロデュースです。

 

***

 

 

スタートアップでは、トップの仕事は、採用、営業、資金調達だ、とか言われるし、そうやって会社を伸ばしていく人も多いので、その通りでしかないのだけど、いちいち疑い深いぼくは、それぞれキーとなる場面で力を発揮できれば、後は担当役員やミドルに任せたいなと思ってしまうのですよね。

 

  • 採用でいえば、役員〜マネージャークラスの採用には、当然、わたしも出て人間性をよくよく見ます。口説くときには、二次会でサシで飲んだりもします。
  • 営業でいえば、大型クライアントの偉いさんやトラブル時には、全面に出て対処にあたります。できる限り、新規開拓の紹介もします。
  • 資金調達でいえば、うちの場合は、大株主&オーナーへの対応になりますが、最優先事項で対処しています。

 

ただ、漫然と会食や出張を増やしても、これかを効率良くこなせるとは思えないんですよね。

 

もちろん、一点突破でTwitter採用がんばったり、ひたすらエンジニア界隈に顔出して人を口説くとか、VC界隈に顔を覚えてもらうとか、泥臭い活動としては、全然やるべき派なんです。トップがやるからこそ意味がある場面も多いと思います。外で目立つ必要があるココゾというときに、本を書いたり、メディアに露出増やしたりするのは、良い作戦だと思います。

ただそこには、但書きがあって、「自分たちのリソースが限られているとき」「自分たちの魅力が足りないとき」と。あと、トップじゃなくても、「みんなやろうぜ」ってこと。

 

立ち上げ初期なら良いと思うんです。無理にでもやって、会社をスケールさせないといけないから。

いつまでもトップがそこに時間を使っていたら、それは問題だと思うのです。暇で、趣味で、やってますならいいんですがね。

明確に、優先度あげる理由あったっけ?こんなに時間使う意味ある?って、いつも自分に問いかけてます。

 

 

本当は、トップが外でシャカリキに頑張るよりも、採用や資金調達が得意な優秀なシニア層に任せられるくらいの経営体制をつくるの方が100倍大事だし、外でがんばらなくても人材やVCの方から連絡が来る魅力的な存在になることの方が100倍大事なわけですよ。

 

違和感の正体は、そこにある。

トップが優秀で、動けば動いただけ、できちゃったりもするので、ハマります。成果が出るから、よりがんばっちゃう。気付けば、足元が疎かになっていると。特に社長が急にメディア露出増やしたとき、急に有名人やらお金持ちと交友を広げたときに、あるあるですね。

 

あと、実際、「みんな楽しいからやってるでしょ」、って側面もあると思います。楽しくないと続けられないですからね。

撮影現場、店舗、営業同行、行けば楽しいですよね、そりゃー。社員との絆も深まるし、良いことしかないのよねー、実際。

業界の偉いひとや憧れの起業家から薫陶受けながら、美味しいご飯奢ってもらえたら、楽しいですよねー。

それだけやってて良いなら、ぼくだってそうしたい。が、本当にやるべきことから気をそらしているだけなんですよね。だから、たまにで良い。

大企業ならいいのかといえば、いや、ほんと暇でしょうがないっすわー、って経営者います?孫正義すら走り回ってるわけよ。

 

 

 

じゃ、本当にやるべきことってなによ?といえば、

 

  • 社内の現場に出ること。
  • 任せて最後に残ったココゾという場面での外向けの仕事に出張ること。

 

ということに尽きるんじゃないかなと思っています。

事件は会議室で起きてない!現場で起きてるんだ!と織田裕二は言うけれど、会社で起きている現場は、まさに社内の執務エリアのことなんですよね。あるいは、チャット空間、mtgルーム。

 

重要な事業や組織にアテンションを割いて、役員部長マネージャーと一緒に知恵を絞り、議論を戦わせ、実践していく。日々の事業進捗や組織の空気をよくよく観察する。

そのなかで、必要とあれば、外に出て、クライアントに出向き、ユーザーの声を聞き、競合の情報を界隈から収集する。

 

こういう順番になるはず。

 

だから、会食は、社内中心になるし、出張は、どうしても会社として必要なとき、になる。

 

ゼロかイチかではなく、あくまで、優先度の話です。そういう時間の配分をするということです。

当たり前ですが、隙間を見て、マーケットを視察したり、クライアントと交友深めて思わぬ本音を聞いたり、それなりに外にも出る機会を作ります。

昔からの友人経営者やベンチャー幹部たちと、近況報告しながら飲むことだって、ままあります。

大事なクライアントとの会食をたくさんこなして、新しい発見や、次のリード獲得に繋がったり。中長期的な信頼関係を作っていくのも大事です。

酒の場で顔を知っている、笑い話で盛り上がった経験がある、というのは万国共通、大事なことで、お互いどんな人間かわかるので、安心感もあるから、何かあったときに話を持ちかけ易くなります。

だから、会社が順調なときには、いろんな場に顔を出して、自分のことをみんなに知っておいてもらうという活動をやった方がいいと思う。

 

ただ、やっぱり、採用のため、資金調達のため、クライアント開拓のため、に出張・会食を毎日のように入れるのは、どっかおかしいと思うのですよねー。そういうミッションの人か、社長が社内で1番得意ならいいんですがね。

 

 

まー、ここまで書いておいてなんですが、結果でしか評価されない世界なので、途中のやり方をあーだこーだ言っても仕方ない話です。

自分が正しいと思うやり方を、ブレず、逃げず、に貫いて、結果を残せばいいだけだなと改めて思いました。

 

 

 

 

久々の「大吉」

Untitled

なんの話かって?

まんま神社のおみくじの話です。

 

先日、思うところあって、おみくじを引きました。

 

大吉、でした。

 

秋ごろから年末、初詣で、何度かおみくじを引いていたのですが、毎回、吉、小吉、が続いていたんですよね。

毎回「もうすぐ運気が上昇するよ」「信じてがんばれ」というメッセージがずっと続いていました。

相性の良い、贔屓にしてくれる稲荷神社だと、大吉が出て、勇気づけてくれていましたが、それもそういうもんだ(神様の配慮)と理解していました。

 

今回、ようやく年末年始で精神的にもなにか開てきた感覚があり、前向きなエネルギーが出始めたところでした。もやもやが整理できて、気持ちも整い、参拝でも、しっかりご挨拶とお願いをすることができました。

 

こういうときは、紛れもない、運気上昇の大吉、が出ます。やっぱりね。という感想とともに、すごく嬉しくなりました。

 

朝から心が弾み、自然な笑みに溢れています。

 

運命は、自分で動かすものです。

 

目の前のことに全力で取り組みながら成長し、さらに多くの人のためにがんばれるようになります。

 

帰り道、快晴の青空を眺めながら、一歩ずつ着実に。上を向いて楽しく生きていきたいと改めて思いました。

 

 

 

 

理論武装は弱さの証拠

anpan man

小難しい記事が続いたので、軽いやつ。

 

コンサルの癖で、なにかを主張するときに、ついファクトやロジックを組みがちになります。明確な根拠無しに、スタンスをはることに、恐れすら覚えます。

ただ、完璧なんてありませんから、文字や資料に落とすときには、緩い部分と固い部分を、明確に意識して、【負けない】ように脇を固めます。それが正しい作法だと刷り込まれているし、クライアント大企業の信頼を獲得するために最適化された手法だからです。

 

日本だけではありません。海外のエグゼクティブ向けも同じです。

テニヲハ間違うだけ、数字1つ間違えるだけで、会社全体の信頼を失ってしまうので、ジュニアからパートナー、ディレクターまで、【正確さ】や【根拠づけ】には過敏に反応します。

揚げ足とられて、10億円、100億円のディールを失うくらいなら、血眼になってディテールにこだわるのも、無理はありません。

 

 

しかし、世のなかの大半の人には、関係のない話ですよね。

ガチガチの理論武装ばっかりやるつまんない人間と仕事をしていても、エキサイティングで学びにはなれど、楽しいわけがありません。

ロジック組まれた固いメッセージは、理解を促進できるけど、共感を呼び起こすことが難しいです。熱い想いや感情ダダ漏れのメッセージのほうが、共感を呼びます。

 

ぼくも理論武装しているときは、その思考過程すらも知的興奮に満ち溢れ、楽しいと感じてしまうくらいに、仕上がっています。筋道立てて、ロジックが通ったとき、無から有を生み出した快感に浸れるのです。気持ちいいんです。

 

しかし、ときどき思うのです。

 

これって、自分の弱さを隠すためじゃないか?

理論武装して、強くなった気になってないか?

守りたいものは、ちっぽけなプライドか?

アンパンマンは、理屈抜きで人を殴れるだろう?

 

 

そんなアンパンマンの話でした。

 

 

 

人の本音と組織課題

Changing

昨日のつづきだ。

 

ランチや飲み会、休日も一緒に遊ぶほど、社員同士の仲が良い。

部長マネージャーも、すごくフラットで、メンバーから見ても、ヒエラルキーをかざすような偉ぶっている人は皆無だ。

経営陣に対しても、特に明確な敵意や悪意、疑問を持つような関係性もない(これは勘違いかも。自信ない。)

 

ザーベイ結果をもとに、メンバー層の抱えている疑問や不満、その裏側にある根本的な課題について、考察を深めている。

 

人には、言葉にできる疑問不満と、言葉にできない疑問不満がある。言葉にできる問題は、対話や議論を通じて解消してゆけば良い。それだけの話だ。

本当に解決すべき問題は、言葉にできない、なんとなく感じているネガにあると思うんだ。自分の経験に照らしても。

 

特に、『うちって、こういう会社だよね』というイメージが、同僚同士の会話や外の取引先からのフィードバックなどなどで、勝手に固定化されていくところに、恐ろしさを感じる。なんとなく友人に飲み屋で仕事のことをグチったら、友人から何気なく言われたこと、でもポジにもネガにも変化しえる。

だから、人によって、会社イメージが全然違うのがイマだ。あるいは、目に見えない空想で、変な怪物をつくってしまっているのも感じる。変化を引きずって、理解が追いついていないだけかもしれない。

 

 

取引先からの信頼は厚い。ユーザーやお客さまからの反応も良い。となると、メンバー同士の認知がやっぱり問題で、ポジを増やしていかないといけない。

 

他の会社や世の中のことを知っている人は、自分の状況を相対化できるので、満足度は高い傾向にある。一方で、相対化できない人は、妄想が膨らむ傾向がある。だから、客観的な情報、例えば、競合の業績や裏側の実態を詳らかにしても、みんなには刺さらないだろう。いかに自分たちが凄いか、良い会社なのか、を伝える努力はしないよりはマシだろうけど、本質的ではない。

 

みんなのパーセプション・チェンジが必要なのだ。それも、メンバー同士で非公式にやりとりされる会話のなかで、誇りや承認を感じられるようになることが理想だ。

 

また、単にインナーブランディングがどうの、と言うほど簡単ではない。覚醒した部長マネージャーが、ポジティブなノリや雰囲気で、引っ張っていくことも必要だが、あくまで最後の味付けにすぎない。よく経営陣で議論していても、雰囲気やノリの問題に帰結して、そうした打ち手でカバーしたくなるけど、逆に、臭いものにフタをするだけになってしまうと思っている。

 

どちらかというと、会社に抱くひとりひとりの期待値の方をイジる必要があると思う。

不幸になりたい人はいないはずなのに、自分たちで、負のスパイラルに陥っている人もいる。会社や仕事に誇りを持てないのだ。

 

 

まずは、みんな良いチームにしたいよね、という確認から始める必要を感じている。人によって良いチームに抱く期待、イメージが全然違うだろう。その違いを、お互い確認するところから、地道に一歩ずつ進むしかない。それで音楽性の違いが明らかになって、さらに心が離れていく人も当然出てくるだろう。それでも前を向いて進んで行こうと思っている。

 

 

 

 

 

トヨタ社長のほとばしる熱い想いに感化された話

Thread Bare

 

woven city。

TOYOTAが打ち出したコネクティッドシティ構想。

東富士工場跡地に、実証実験の街をつくるという。

その街のコンセプトが「woven city」。編み込む街。

3本の道を網目のように編み込む街をつくるという。

「機織り」から始まったTOYOTAらしい名前だと思う。

 

 

みなさん、ぜひこの記事を読んで欲しい。

 

jidounten-lab.com

 

豊田章男社長が、年頭挨拶で今後のビジョンや経営にかける想いを忌憚なく語っている。書き起こし文を読むに、今回から、業務命令での参加ではなく、自主参加した社員がこの話を聞いているという。一部、空気を読んで消極的に参加している人もいるとは思うが、この話をトップから直接聞いて、心に火が灯ったひとも多いのではないかと推測する。

 

ぼくが読んでいて驚いたのは、「自分と社員との間に、距離を感じている」ということをトップ自らがさらけ出して、なおかつ、社員にむけて「おれも頑張るから、お前たちももっとこうしてくれ」と態度を改めるよう要望している点だ。

 

すごい勇気だと思う。

創業一族だからこそ言えることなんじゃないかとも思う。

それでもやっぱり、大企業のトップがここまで開けっ広げに社員を挑発するのは、すごい勇気だと思う。

 

 

要約すると、

  • おれは、トヨタを、モビリティ・カンパニーに生まれ変わらせたいんだ。
  • そのために、コネクティッド・シティ構想を掲げて、まず第一歩目のwoven cityを成功させたいんだ。
  • そのために、トップダウンで、現場に降りて率先して背中を見せるから、みんなも、ただ突き上げ型・押しつけ型のボトムアップではなく、トップの考えを汲み取り寄り添うボトムアップをしてこいよ。
  • そこに賛同しない、理解しようとしない態度は、やめてくれ。

と。

 これらを魅力的なビジョンと、熱いパッションでくるんで、がーーーーっと伝えた。

あっぱれ、だ。

トップの立場の人たちは、社員との心の距離、言葉の壁、理解されないもどかしさを感じる場面は、一度や二度ではないだろう。どうしても、本気度も違うし、覚悟や熱量にも差が出てきてしまうから。

 

ぼくも豊田社長のように、志高く、みんなも変わってくれ!と言いたい場面が何度もあった。ただ、そこまで踏み込んで言うだけの実績も自信もなかったから、踏み込めなかったし、単なる経営者の理屈を社員に押し付けるようで、理性のブレーキがかかってしまっていた。「そんなことを言われても、自分が逆の立場だったら刺さらないし、嫌だよなぁ」と。

ところが不思議と、豊田社長の話を読むと、すっとぼくの胸に入ってくる。当事者ではなく、蚊帳の外から眺めているからかもしれないが。

型に落とし込むと、

 

ビジョンを語り、

熱い想いを吐露し、

社員に変化を求め、

最後に、約束をする。

これらを、トップが、全人格的に、人間性をさらけ出して、自分の言葉で語る。

何なら、打算抜きに、話したいから話している。言いたいから言っている。ようにすら見える。素晴らしいと思う。

 

 

孫さんともまた違う。孫さんは、自分の実績と構想、お金の臭いをもっとムンムンに押し出す。これはこれで、可能性を感じさせる魅力的なプレゼンテーションだと思う。

豊田社長は、自分でもいうように「格好悪くてもいい、ありのままをさらけ出す」「ただ自分はトヨタが大好きだ、ならその大好きなトヨタを守りたい」というスタンスだ。スタンフォードの卒業講演なんかよりも、ずっと日本人の心に刺さるメッセージングだったし、これを同じクオリティでできる人が他にいるのかと思う。

 

ぼくは豊田スタイルのほうが好きだ。不器用な感じに共感すら覚える。

 

 

 思い返せば、米国でのリコール問題の際、米国議会の公聴会で豊田社長が見せたパフォーマンスは素晴らしかった。これを契機に、国内外からの豊田社長への評価が上がった。当然、取引先や家族、関係のない社外からも、豊田社長に対する見方が大きくプラスに変化した。社員たちのなかにも、リコール問題への対処は大変だけど、そんなトップの評価を嬉しく、誇らしく思った人もきっと多かっただろう。

この事件以降、豊田社長も、どこか誇らしく、自信溢れる演説が増えてきた気がする。決算説明やカンファレンスの発表を全部見たわけではないが、力強いメッセージを発信する姿をメディアで見かけることも多くなった。

 

 

SONYの電気自動車に続き、TOYOTAのコネクティッド・シティ。

夢溢れる構想で、世界をあっと言わせる事例が増えてきた。

日本のスタートアップは、大企業を嘲笑する暇があったら、彼らのように世界をあっと言わせよう。

ジャック・ドーシーやイーロン・マスクスティーブ・ジョブスに憧れるのも良いが、ぐっと憧れる想いを胸にしまい、世界をあっと言わせる会社に嫉妬心や悔しさを覚え、歯をくいしばって頑張る。

そういう生き様でありたい、と強く思います。