ignorant of the world -散在思考-

元外資系戦略コンサルタント / worked for a Global Management Consulting Firm in Tokyo

人事評価の時期ですね

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いわゆる、半期に一回の査定の時期です。会社によっては、年に1回かもしれません。

 

みなさん、ボーナス出てますか?給料上がってますか?

 

これまで、制度をゼロスクラッチで作ったり、制度をいろんな組織で運用してきた経験がありますが、毎回、難しいなぁと反省が多いです。

自分が評価を受ける側のときにも、苦い思いやフラストレーション溜まっていたこともあります。みなさんも、基本、ポジティブな印象よりも、ネガティブな印象が多いのが実態だと思います。

 

 

目標設定と振り返りのことを、【MBO】と言ったり、【OKR】と言ったり、いろいろな手法で、会社の目標・成果と、個々人の目標・貢献実績をすり合わせてゆきます。

並行して、グレード制や等級制度に基づき、絶対評価相対評価を織り交ぜながら、【昇給】と【賞与】を決めていきます。

 

だいたい退職する人のホンネ理由は、「給与待遇」「人間関係」「仕事内容」にあると言います。

これらは、本来であれば、日々の1on1や、目標設定・振り返りのなかで、要望を出し、会社が調整し、というサイクルがきちんと回っていれば、防ぐことができるものです。

どうしても擦り合わないことがお互いわかった上での退職であれば問題ないのですが、往々にして、優秀な人の退職や、いて欲しかった人の退職は、会社にとって痛手だし、事前に予期できないものが多いです。

自分が辞める側なら、なるべく日々の面談では予期させるようなことはせず、決め打ちで引き返さないように一発でトドメを刺すことを考えますよね。その裏返しです。

 

 

毎回思うのは、制度設計のハードな部分よりも、日々の運用やミドルマネジメントと現場との信頼関係のソフトな部分が、すごく重要だなということです。

 

人が人を評価するので、絶対正しい評価はありえません。日本式の評価手法では、お互い主観となる部分も多いので、期待と貢献成果の認識をすり合わせることが重要になります。外資系の成果主義のように、ジョブディスクリプションをガチガチに落とし込んで、1人1人の仕事内容と評価項目、評価基準を定義して、、、という手法においても、結局は日々のフィードバックや対話が、ミスマッチを避けるためにも大切になります。

 

いくら採用面接でカルチャーフィットや期待値を合致させていたところで、入社後のパフォーマンスを保証するものではありません。会社の状況も刻一刻と変化して、ずーっと円満に行ける保証はありません。

「いまは給料よりもやりがい、チャレンジ」と言っていた人がいつの間にか「給料が低い、上がらない」と嘆いたり、「高い報酬に惹かれて」入社した人があまりの仕事のつまらなさに退職をしたり、とたくさんの前例があるでしょう。

 

だからこそ、ぼくらには対話が必要です。

制度やルールで固めて運用すべきところもありますが、正直、どの会社も似たり寄ったりで大差ありません。

一定以上の魅力的な給与テーブルさえ担保できていれば、あとは会社と本人との納得度を高めるための運用にコストを割くべきです。

ここの巧拙は、部長やマネージャーのスキルや人間性にも依存しますし、器が大きく、愛される上司でも、ここが下手だと人望を失いかねません。

 

自分が評価される側の立場で、この人は上手だったなぁと思う人は、思い当たらない。

それくらい難しいし、みんななぁなぁで済ませようとする。

 

次回、じゃあどうするのさ?と具体案を書いてみたい。