ignorant of the world -散在思考-

元外資系戦略コンサルタント / worked for a Global Management Consulting Firm in Tokyo

人の本音と組織課題

Changing

昨日のつづきだ。

 

ランチや飲み会、休日も一緒に遊ぶほど、社員同士の仲が良い。

部長マネージャーも、すごくフラットで、メンバーから見ても、ヒエラルキーをかざすような偉ぶっている人は皆無だ。

経営陣に対しても、特に明確な敵意や悪意、疑問を持つような関係性もない(これは勘違いかも。自信ない。)

 

ザーベイ結果をもとに、メンバー層の抱えている疑問や不満、その裏側にある根本的な課題について、考察を深めている。

 

人には、言葉にできる疑問不満と、言葉にできない疑問不満がある。言葉にできる問題は、対話や議論を通じて解消してゆけば良い。それだけの話だ。

本当に解決すべき問題は、言葉にできない、なんとなく感じているネガにあると思うんだ。自分の経験に照らしても。

 

特に、『うちって、こういう会社だよね』というイメージが、同僚同士の会話や外の取引先からのフィードバックなどなどで、勝手に固定化されていくところに、恐ろしさを感じる。なんとなく友人に飲み屋で仕事のことをグチったら、友人から何気なく言われたこと、でもポジにもネガにも変化しえる。

だから、人によって、会社イメージが全然違うのがイマだ。あるいは、目に見えない空想で、変な怪物をつくってしまっているのも感じる。変化を引きずって、理解が追いついていないだけかもしれない。

 

 

取引先からの信頼は厚い。ユーザーやお客さまからの反応も良い。となると、メンバー同士の認知がやっぱり問題で、ポジを増やしていかないといけない。

 

他の会社や世の中のことを知っている人は、自分の状況を相対化できるので、満足度は高い傾向にある。一方で、相対化できない人は、妄想が膨らむ傾向がある。だから、客観的な情報、例えば、競合の業績や裏側の実態を詳らかにしても、みんなには刺さらないだろう。いかに自分たちが凄いか、良い会社なのか、を伝える努力はしないよりはマシだろうけど、本質的ではない。

 

みんなのパーセプション・チェンジが必要なのだ。それも、メンバー同士で非公式にやりとりされる会話のなかで、誇りや承認を感じられるようになることが理想だ。

 

また、単にインナーブランディングがどうの、と言うほど簡単ではない。覚醒した部長マネージャーが、ポジティブなノリや雰囲気で、引っ張っていくことも必要だが、あくまで最後の味付けにすぎない。よく経営陣で議論していても、雰囲気やノリの問題に帰結して、そうした打ち手でカバーしたくなるけど、逆に、臭いものにフタをするだけになってしまうと思っている。

 

どちらかというと、会社に抱くひとりひとりの期待値の方をイジる必要があると思う。

不幸になりたい人はいないはずなのに、自分たちで、負のスパイラルに陥っている人もいる。会社や仕事に誇りを持てないのだ。

 

 

まずは、みんな良いチームにしたいよね、という確認から始める必要を感じている。人によって良いチームに抱く期待、イメージが全然違うだろう。その違いを、お互い確認するところから、地道に一歩ずつ進むしかない。それで音楽性の違いが明らかになって、さらに心が離れていく人も当然出てくるだろう。それでも前を向いて進んで行こうと思っている。