インタビューメモを書くこと
普通のプロジェクトでは、一番下のロールの人が大抵担う仕事なんですが、意外とバカにならないくらい重要なタスクです。
インタビューやミーティングは、四六時中開催されるので、なるべく早く、できれば当日中にメモを関係者にシェアして、どんどん検討を前に進めてゆかなければいけません。
また、一番下のロールの人にとっても、プロジェクト全体のイシューとその検討経過を120%理解できていなければ、メモの合格点をもらうことができません。書きながら自分の頭を整理したり理解度を確認しつつ、上司に質問し、逆にフィードバックを受ける、このプロセス自体が大変勉強になります。
だから、インタビューメモに赤入れする文化は、絶対に継承すべきだと思ってます、僕は。メモをお客さんに出せるレベルのアウトプットとして作れないと、スライドなんて書ける訳がないからね。
まず、キーワードレベルの稚拙な理解から脱却して、ちゃんと文章に落とせること。
基本中の基本だと思います。
スライドを書けるようになるのは、ずっと、そのまた先のレベルだと思ってください。
文章で構造化できて、メッセージをひねり出せるようになって、初めて、スライドの構造や見せ方に脳みそを使う意味があるのです。
いきなりスライド考えても、そもそも何が言いたいのか、わからんスライドしか作れません。このプロセスをすっ飛ばすと、プロジェクトの経験数だけは増えて、残念ながら薄っぺらいスライドしか書けないコンサルタントになってしまいます。
何よりもまず
スライドや文章は、まず、メッセージありき。そのメッセージを支えるファクトや示唆の積み重ねを言葉に落として、説明できること。ピラミッドストラクチャー以前の問題で、とにかく、インプットしたことを自分の言葉できちんと理解して、正しい日本語の文章にできること。
ここを目指してもらいたい。
この基本を疎かにしてると、いつまで経っても、アナリスト思考から抜け出せません。分析なんて、時間と金かければ、誰でもできますから。
圧倒的なスピードを出すか、PJイシューへのアドレス度合いを高めるか、面白さ軸で突き抜けるか、、、いずれにせよ、緩い理解レベルでは意味のあることできません。
入社してしばらくは、「日本語ってむずかし〜」って悩んでれば、それは健全な証だと思います。最初からできる人は除いて。
久しぶりに、ガッツリ、赤入れ作業をして、「自分も昔こうやってもらって良かったなぁ」という感謝の気持ちや、「当時の上司は同じようなこと思っていたんだろうな」という発見などと、いろいろ感じるところがあったのでエントリーにしてみました。
人間は心理学的にも「好意の返報性」というものがあるように、基本、ギブ・アンド・テイクな行動を取りたがる生き物なんだと思います。自分がジュニアの頃にやってもらった経験が、こうして継承されてゆくものなのでしょう。
ただ、最近は、どうも社内でも、この赤入れ作業をする文化自体が、少なくなってきているようで、残念に思います。
中長期的なオフィスの成長を考えると、OJTでの育成が必要不可欠どころか、競争力の源泉なわけです。
プロジェクトがいくら忙しくとも、上司が自分の仕事をマネジして、何とかフィードバックをしたり、育成に気を使って任せてみる、という余裕を作り出せるようになりたいものです。
もっと言えば、これくらいの余裕を作れるくらいのコンサルタントでなければ、自分の仕事で手一杯の人には部下をつけるべきではないのでしょう。ジュニアにとっても不運としかいえません。
明日は我が身なので、下がつくときには、いつもこの余裕を忘れないように気をつけています。
まとめ
インタビューメモを疎かにすることなかれ。
愚直にあきらめず、メモ書きを究極的に極め続けることが、立派なコンサルタントへの近道です。
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