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ignorant of the world -散在思考-

元外資系戦略コンサルタント / worked for a Global Management Consulting Firm in Tokyo

イシューからはじめよ(安宅和人)

Book / 読書

yo4ma32011-04-05
この数日、プロジェクト終了後の休暇を頂いておりました。
家族で伊豆旅行に行く、髪の毛を切るなど休みならではのリフレッシュを満喫し、明日からの新PJに向けた気力・体力ともに充実しています。
また、ブログについても、懸案事項だった「デザイン」を思い通りのものに構築しなおすことにも成功し、
これから一層、更新頻度を上げていこうという気概に溢れています。(はてなのテンプレに独学でCSSを付け加えるのは大変でした・・・)


さて、この休暇中には、再読を含めて1日2冊くらいのペースで様々な本や雑誌を読み漁りました。
中でも、面白かった本を数回に分けてご紹介します。
伊豆での車移動の際に、家族に観光させて、僕はひとり車の中で本を読む、そんな気軽に読んでいた本です。
重い経営戦略系の本は、いま同時並行で何冊か読んでいますので、また別の機会に紹介できればと思います。

イシューからはじめよ(安宅和人)

イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」

イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」

この本は、休暇中に読んだ本の中で、No1にオススメの1冊。
著者は、かのニューロサイエンスとマーケティングの間 - Being between Neuroscience and Marketingの中の人。
はてブ界隈でも話題となったこの記事:圧倒的に生産性の高い人(サイエンティスト)の研究スタイル - ニューロサイエンスとマーケティングの間 - Being between Neuroscience and Marketingは記憶に新しいと思います。
僕自身も学生さんに対して、よくこの記事をベースに、「仮説思考とは何か」「大学院に残って研究することと、コンサルティング会社に勤めることとの違いは何か」など、話をしています。


イシューとは、「論点」を英訳したもので、コンサルティング・ファームでは最頻出の単語です。
論点とは、クライアントの意思決定に必要な判断項目で、大論点から小小論点まで、MECEな入れ子構造になっているべきものです。
各論点に順番に答えを導き出すことができれば、さらに大きな論点に結論が出る、結果として、最終的な意思決定への答えが導出されるものとなります。
本ブログでもこんな記事にしていますし、Twitter上で何度も取り上げている話で、例えば、こことかここ


本書では、イシューという切り口から

  • 「イシュー・ドリブン」の仕事の進め方
  • さらに、イシューに対する深い洞察を踏まえた仮説的な答え=「仮説ドリブン」の仕事の進め方
  • 「アウトプット・ドリブン」の仕事の進め方(正確には、アウトプット・イメージ・ドリブン)
  • 「メッセージ・ドリブン」の仕事の進め方

の4つを論じています。
ご存知のとおり、〜〜ドリブンの4つ「イシュー」⇒「仮説」⇒「アウトプット・イメージ」⇒「メッセージ」は、まさにコンサルティング・ワークそのものの進め方です。
巷にあふれる細かな分析手法やプレゼン資料の体裁の話は、これら4つがあって初めて意味のあるものです。
つまり、イシュー・ドリブンから始まるこの思考プロセスができなければ、いろんなフレームワークや分析手法を覚えたところで、意味の薄いものだ、ということ。


皆さんは、よく安直な解を求め、MECEやロジカルシンキング、プレゼンテーションを冠したテクニック本を読み、時間を浪費してしまってはいませんか?


もちろん、本書もライフハック(笑)的な、皆さんが「ウマー」と思うようなTipsに溢れています。
断言しておきます。
本書に書かれたTipsを覚えても、何もできるようにならなりません。
各章、各小チャンク、各段落の意味するところを、何度も何度も読み返し、実際の仕事上での行動に意識的に変化を起こし、さらにまた同じところに戻ってきて、何度も読みなおす。
ここまで使い倒して、初めてその本質が消化できるくらい濃厚なお話。


第一線で活躍するコンサルタントからしてみれば、十中八九「よくまとまってるね」との評価しか得られない本でしょう。
だけれども、それ以外の人からすると、コンサルティング・ワークの本質がまとまって翻訳されていること、それ自体に価値のある本です。
僕も、たまに忘れてしまうような原理原則を、ここでいくつも発見し、これからもその原理原則を思い返すために、何度も読み直すであろう良書です。


本書は、コンサルティング業界に興味のある方だけでなく、新規事業を構想しようとされている方、自社の経営に関わられている方にもオススメの1冊です。


ちなみに、著者は、マッキンゼーに長く勤めた生粋の経営コンサルタント。
途中、イェール大学・脳神経科学プログラムで4年弱の最短で博士号を取られるなど、変わった経歴の持ち主です。
現在は、ヤフー・ジャパンのCOO室室長という肩書きのようです。
戦略コンサル×脳科学×事業経営という理想的なコンボを体現されている方で、ぜひとも1度お会いてみたい人です。


イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」

イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」

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