ignorant of the world -散在思考-

元外資系戦略コンサルタント / worked for a Global Management Consulting Firm in Tokyo

今日は毛色を変えて、競馬の話でも

yo4ma32009-09-05
昨日の記事でも書いたとおり、何を隠そう、競馬好き、だ。


原体験は、1998年有馬記念グラスワンダー 復活の勝ち狼煙。
その後のスペシャルウィークとの死闘や、対テイエムオペラオーでの貫録勝ち、年度代表馬を獲れなかったときの悔しさ・・・
あの頃は、ナリタブライアンの死後で、タイキシャトルサイレンススズカエルコンドルパサーステイゴールド、エアグルーブ、メジロドーベルなど、
数々の名馬がひしめき合う、競馬全盛期の時代でした。


いまでも、当時の競馬新聞を大切に持っています。


よく、「競馬好き」の人間には、2種類あるという。
ひとつは、純粋に「馬が好きな人」。もうひとつは、「馬券が好きな人」(お金が好きな人を含む)だ。


僕は、断然、後者。
自分の予想が的中することがたまらなく快感だし、その上で、お金が一気に増えるとなると、快感は倍増だ。


僕が予想を当てることが好きなのは、コンサルタントという職業に共通する部分が多いからだと思う。
(もしかしたら、逆なのかもしれない。競馬が好きだから、コンサルタントという職業が好き?)
(語弊のないように言うと、コンサルタントは“予想”を立てるのではない。“仮説”を立てて、検証しているのだ。(後述しているけど))


競馬というのは、要するに、a.ファクトベースで、b.仮説を立て、c.レースで仮説を検証し、d.次のレースで仮説の精度を高める(仮説を修正する)
まさに、「仮説検証プロセス」そのものなのだ。
(一部の人は、a、bの部分が、a'勘で、b'予想(自分の希望)を立てる、になっていると思う)


したがって、競馬で勝つためいには、この4つのプロセスのどこかで、人よりも差をつけ、仮説そのものの絶対水準でもJRAに勝たなければいけない。
僕は、基本的に、このPDCAサイクルを回しまくって仮説の精度をバキバキに高めるか、関係者情報を仕入れて情報で勝つか、この2つの戦略しかないと思っている。
(関係者情報、"デキレース"は存在します。が、これも100%ではないことに注意。)


でだ、本題に入ると、これまで我流で貫いてきた馬券術を棚卸しし進化させるべく、GW中に他人の書いた馬券術の本を一気に読んだ。
これらを紹介しようと思う。
僕の馬券術・・・?正直、書くのがめんどいので、ごめんなさい。
経験に寄る部分が多いのと、直近のレース・馬の追ってる度合いにより、大きく左右されるから、文章化するのが難しいんだ。

書評

馬券会計学 実践バイブル

馬券会計学 実践バイブル

★★★★☆
「戦術は競馬の王道をゆく、ストロングスタイル」
と書かれているように、中身はハード。


本書に書かれた方法論を、すべてものにするには、
世の大半の人が、今の生活を捨てなければならない。


それほどまでに、時間と手間暇かけて練り上げる予想スタイルだ。
こういった“正拳突”を愚直なまでに極めた筆者について、個人的には共感を覚える部分が多い。


が、そこまでたどり着くまでの代償は、あまりにも大きい。
いかに自分流にアレンジして取り込むかが鍵だろう。


添付DVDと合わせて、以下の3つを痛感した。

  • 調教タイムから読み取る情報の大切さ
  • パドック、レース映像から読み取る情報量の大切さ
  • レースの回顧・予想の復習の大切さ


筆者は、誰でも取得可能な外部情報(もちろん有料コンテンツを含むが)から
プロ顔負けなレベルの仮説を積み上げる。


本書を読めば、
「ここまで、読み取るのか!」
「このレベルまで考え尽くすのか!
と自分の甘さを反省することになるだろう。


ヘビーな競馬ファンには、本書を読んで、
ぜひ、「このレベル」を体感して欲しい。


★★★☆☆

  • 多頭出し
  • 親子ドン
  • 基本血統
  • ローテーション
  • 内枠、外枠


5つのテーマに絞った示唆に富んだ良書。
本書に書かれた視点は、
ぜひ、自分の馬券術の1つに加えておきたい。


スーパーお父さんの馬券術―10年に一人の本物

スーパーお父さんの馬券術―10年に一人の本物

★★★★★
これはオモロイので、5点。
「馬券ブレイク」誌上で連載をしていた、素人お父ちゃんの馬券術なのだが、
これがまた、競馬マニアでもないのに、凄いのである。


軍資金、毎月のお小遣い3万円の中で、年間平均50万円のプラス収支を7年連続継続。


あ、り、え、な、い。


彼のスタイルは、軸馬を見抜くことに労力を使い、あとは美味しい中穴狙いの、馬連方式。
個人的に、まったく同じスタイルなだけに、親近感が湧いただけでなく、その馬券術はめちゃめちゃ役にたった。
この馬券術を、余すところなく記載している本書は、だれしもが役に立つ部分がきっとある。
さらには、ケーススタディが豊富に載っているため、良いシミュレーション(練習)になる。

  • 確実に勝てるレースを見抜く眼
  • その中で、有力馬を見抜く眼

はそこそこありながら、

が下手なせいで、なぜかマイナス収支な人は多いはず。


自分で、「有力馬を選ぶまではいい線いってるんだけど、馬券下手だ」と思っている人は、
絶対に買うべき一冊。


競馬で妻子を養う男・木下健の走馬眼伝授!

競馬で妻子を養う男・木下健の走馬眼伝授!

★★★☆☆
丸の内流「馬券会計学 実践バイブル」に比べ、
こちらは、完全に筆者の個人的な競馬理論に偏っている。


いわゆる、木下流
付属DVDも見た上で、読後の感想としては、
「結構、テキトーやな、このおっちゃん(笑)」
本に書かれた内容も、DVDで言っていることも、
言い方は違えど、同じことを言っていたり、リダンダントな部分が非常に多い。
あんまロジカルではない。


が、そこはやはり、「競馬で妻子を養っていた」だけのことはあって、
自分の馬券理論に役立つ内容は多い。
特に、

  • “生の”レースの見方

については、こんな視点もあるのか、と勉強になった。


あと、「ゼニ馬リスト」は使える。
そのためだけでも買うべきでしょう。