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ignorant of the world -散在思考-

元外資系戦略コンサルタント / worked for a Global Management Consulting Firm in Tokyo

就職活動前に知っておくべきケース面接/グループワークのこと1

就職活動の鬼

yo4ma32008-09-05
■注:このエントリの内容は、ファーム公式のものではなく、120%私見です■
最近、立て続けにケースを作成&解くプロセスを繰り返していたので、就活の頃を思い出しながら、「ケース面接/グループワークの極意」をまとめてみたいと思います。
「上位数%の学生にしか役に立たないのでは」という意見は承知の上です。
過去は変えられないけれど、未来は変えられます。
読まれた方の明日からの言動/行動に変革が起きるレベル。
ここを目指して、推敲を重ねながらエッセンスだけを記述できるよう努めています。


後半では、Tipsレベルまで落とした話を試みていますので、3記事分お付き合いください。

  • 面接官の視点(パート1)
  • 就活生がGWの場でやるべきこと(パート2)
  • 就活生がケース面接の場でやるべきこと(パート3)


新卒の学生さん向けの記事ですが、抽象的な思考態度行動様式の部分にフォーカスを当てています。
具体的なケース問題の解き方は、自分で練習すればいくらでも上達しますから、他のサイトを当たってくださいね。

メッセージ

ゴールを定め、到達するための手段を洗い出し、明日からでも実行できる人が、自分の希望を実現できる。
強要はしない。やる人は“いまこの瞬間”にも動いています。
自分を高めるためには、常に意識しましょう。

面接官の視点

まずは、ケース面接/グループワークにおいて、学生さんがやるべきことを考える前に、面接官がどんな視点で学生さんを見ているのか、考えてみたいと思います。
シンプルに言ってしまえば、面接官は、実際の仕事を想定して、以下のことを検証したいと考えています。

問題解決に向けたディスカッションの中で、バリューを出せる人かどうか

もちろん、中身のデキも重要です。地頭の良さ、最低限の論理的思考力(ロジカルシンキング)、クライアントからの見たときのプロフェッショナルらしさ+愛嬌、コミュニケーション能力など、明確なチェックリストを持っているのは確実です。
しかし、それ以上に、バリューを出せそうか否か?一緒に働いてワークしそうか?という視点で、学生さんを見ていることを覚えておいてください。


そして、チェックリストとして、具体的に面接官が「見ているポイント」は、以下の3つが最優先に考えられます。

  • コミュニケーション能力(ポジショニング)
  • 議論に対するスタンス(ドライブする意思、参加してバリューを出そうとする姿勢など)
  • 脳みそのスペック

プラスで、「人柄」や「最低限の知識・常識」でしょうか。この2つは上の3つに混ざっている部分も多いです。


ひとつずつ説明したいと思います。

コミュニケーション能力(ポジショニング)

コミュニケーション能力とは。

(1) 自分の言いたい事が、簡潔に言える。
(2) 相手の言っている事が理解出来る。
(3) 自分の考えがドキュメントとして作成出来る。
(4) 反対意見が正確に述べられる。
(5) 相手を説得出来る。論理的に。さらに難易度を上げて、感情的にも。
(6) 目線で意思を伝え、相手を巻き込める。
(7) 後ろ姿が常に説得的である。とかとか。これは名人の領域。

就職活動において求められるコミュニケーション能力の大部分が、(1)と(2)の初歩的なレベルです。
まずは、言っていることが簡潔、かつ、論理的かどうか。簡潔に表現するための要件が、論理的な思考にあります。2つは表裏一体だと思います。
さらに、往々にして言葉足らずな周囲の発言を、自分なりに構造化し、発言の背景にある前提にまで思いを巡らせ、120%理解すること。
そして、特に、コンサルティング業界においては、(4)反論よりも、(2)理解をした後、自分の考えに取り込んで、仮説をさらにレベルアップすることが求められます。
これが意外と難しい。
自信にあふれ、好感持てる人柄で、弁が立ち、目立つ学生でさえ、相手の意見を100%理解できていないのでは、と思われる場面が多々見られます。


自分の考えが甘い、相手の意見を十二分に理解できない、という場合は、「ゼロベースになって、頭で考え抜くことができていない」ことが理由です。
人間は、ある程度、情報を類型化して、物事を理解し、思考を進める生き物です。その習慣を議論に持ち込んでしまうと、自分の意見に囚われてしまったり、ステレオタイプ型の思考になるために、相手の考えを“そっくりそのまま”吸収することが難しくなります。
気をつけましょう。


さらにレベルを上げて、「説得」の段階になると、「相手がなぜこう言ったのか」さらに掘り下げて、
「その背景は何か」「どういう意図で発言しているのか」「相手の感情はどうなっているのか」などなど、
相手のどのボタンを押せば納得してくれるのか、説得するためのスイッチはどこにあるのか、
に頭を使わなければならない。


1対1のケース面接では、こうしたコミュニケーション能力が露骨に表れます。
何度も言いますが、大事なのは、(1)と(2)です。


まずは、ゼロベースで、相手の言う事を120%理解すること。
理解した上で、自分の考えに取り込んで、Addバリューした意見を生み出すこと。
さらに、相手の心理/考えの前提/感情などにまで思いを巡らせ、最適な説得の手段をとること。


自分もまだまだ未熟ですが、この2つの基本を極め続けることで、達人への道が開けると思っています。


また、グループワークでは、
グループ内で“足りていない役割”を率先して担うことが必要とされ、それを出来る人がコミュニケーションの高い人と判断されます。
役割とは、簡単に言ってしまえば

「議論をぐいぐい推し進める人」
「推進役と一緒になって積極的に意見を述べられる人(嫌味なく、反対意見を述べられる)」
「常に客観的に観察、分析し、一つでも価値ある意見を言える人」
「賛同意見を述べることで、議論をサポートする人」

こんな4つのタイプ。
一度でもグループワークを経験したことがあれば、容易に想像つくでしょう。
ディスカッションがうまく回るときというのは、この4つの役割の人間がそれぞれ揃っているときです。
そして、たとえそのポジションが苦手であっても、チームのバリューを最大化するために、足りないタイプに動き、議論に貢献することができる人が、コミュニケーション能力が高いと評価される。
決して「空気読める」とかいうレベルではない。そんなのは当たり前だよね。

議論に対するスタンス(ドライブする意思、参加してバリューを出そうとする姿勢など)

問題解決に向かって、建設的な意見を述べ、議論をドライブしようとする姿勢は、参加者全員に求められる態度です。
要するに、そのグループワークでの「メンバー全員のバリューを最大化する姿勢」だ。

誰かひとりが空気を乱すから、やる気なくなった・・・

掲示板などの書き込みでよく見られる態度。これは論外。
もちろん、やる気を無くした方が。
KYがいるなら、黙らせる。それがチームに対するバリューです。
全員が黙殺し、放置するようなことがあれば、メンバー全員失格になっても文句は言えまい。


そういう価値観。

脳みそのスペック

3つ目、脳みそのスペックについては、筆記試験やエントリーシートで測る方法と、実際に考えるプロセスや、発する言葉の観察に基づいて、判断する方法があります。
この「脳みそのスペックの判断」に対しては、2つの方法への重点の置き方によって、ファームごとに考え方が大きく異なります。
筆記試験を難しくして、上位数%のみ面接するファームもあれば、筆記試験のバーを低くして、なるべく多くの人と面接するファーム。
それぞれ、メリット・デメリットがあります。
一般的に嫌われがちな前者の機械的に振り分ける手法は、受験者のモチベーション向上や採用市場におけるブランディングなどの面で、圧倒的に理に適った戦略だと思います。ただし、ファームの文化、コンサルタントの人間性、倫理観、などソフトの面での多様性を失う恐れはありますが。
個人的には、やはり、後者の人を見て判断するファームの方が好感を持てますね。


上述のとおり、筆記試験1つ取ってみても、ファームの意図が如実に表れています。
就職活動をする際には、このファームの考えと自分の価値観に照らし合わせて、会社選択することをオススメします。


さて、脳みそのスペックについて、面接官が見ているポイントは大きく3つ。

・地頭のよさ(頭の回転の速さ)
・全体感、MECE
・ロジックの構築力(因果関係の構築、国語力)

各項目1つ1つが何を意味しているのか?、具体的にどのような頭の使い方が評価されるのか?、については、ご自身でお考えください。
それすら既に、学生さんの知性や問題解決能力を見る視点になります。
自力で正しい道筋で考え、ある程度のところまでたどり着けたかどうか、を見ているということだけお伝えしておきます。


続きます。



"2008-09-05 就職活動前に知っておくべきケース面接/グループワークのこと1 "
"2008-09-15 就職活動前に知っておくべきケース面接/グループワークのこと2 "
"2008-12-29 就職活動前に知っておくべきケース面接/グループワークのこと3 "

参考本

熱いビジネスチームをつくる4つのタイプ―コーチングから生まれた

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影響力の武器[第二版]―なぜ、人は動かされるのか

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