ignorant of the world -散在思考-

元外資系戦略コンサルタント / worked for a Global Management Consulting Firm in Tokyo

人生分岐シナリオの擬似体験

Sheep

不定期に、同じ夢、似た夢、を繰り返し見ることってありませんか?ストーリーは違っても、いつも同じ街並みや光景が出てきたり。ここで言う「夢」は、寝ているときのやつ。

ぼくは、3つくらいある。そのうち1つについて、書いてみたいと思う。

 

 

それは、いまの会社を辞めて、前職のコンサルティングファームに再就職する夢だ。

なにかの拍子に、現職に軽く辞めることを伝えて、次の瞬間には、ファームのオフィスに出入りしながら、オフィス内やビルを動き回るのだ。そして、雰囲気がすっかり変わったオフィス環境と、見覚えのない同僚たちに毎回、自己紹介をしたり、雑談をするが、プロジェクトに何もアサインされていないのでただ単に暇にしている。そこで、突然、プロジェクトにアサインされる苦しみ、タイトな納期やクライアントの期待を超えるプレッシャーをありありと思い出す。そして、もう戻れない現職の自由な環境に戻りたい!と焦って、残念に思いながら夢が終わる。

細かい展開は、毎回違うが、ストーリーは同じだ。

 

しかも、この夢を見る回数が増えるたびに、用意周到に、確実に転職したことを確認しながら、いよいよファームに戻った、これは現実なんだ、と夢のなかで確認をしている。

 

謎である。

寝起きの気分も悪い。起きた瞬間に、現実を確認して、安堵するのも億劫だ。

 

現職の経営ポジションを辞めるつもりはない。

前職のファームに戻るつもりもない。いつでも戻れるや、いま戻ったらパフォームするかな、くらいはたまに考え程度だ。

またあのハイプレッシャーな環境で、土日も気が休まらないクライアントへのコミットは、大変すぎる。

ぼくにとっては、恐ろしいシナリオの夢なのだ。

 

この夢を見ると、なにかの潜在欲求の反映というより、未来のシナリオを「擬似体験」させられている気分になる。そう、未来映画の夢オチ、バーチャルライフSFといったものを見たときの感覚にすごく近い。

 

お陰で、いまの仕事のありがたみや、もっとこうしたいという欲求を再確認できる。

最近、VRでけん玉訓練して、実世界でも上達する動画が人気だったが、夢のなかやVR空間での訓練による習熟、発達の実用化は、すぐ目の前にきている。もし、夢を自由にコントロールできるなら、こうしたいろんな人生のシナリオを擬似体験できるのは、割と面白いなと思った、という話でした。