ignorant of the world -散在思考-

元外資系戦略コンサルタント / worked for a Global Management Consulting Firm in Tokyo

縁や偶然を大事にする生き方

縁や偶然を大事にする生き方

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photo by Viewminder

たくさんの誕生日祝いのコメントを、ありがとうございました。今年も例によって、Facebookの投稿の焼き直しつつ、11/1付で新しい立場になったことも踏まえてて追記しながら、記事に残しておこうと思います。
昨年は色々大変な時期だったので、あんなに恥ずかしい記事を投稿してましたが、書いておかないと忘れるので、やっぱり書こうかなと。
今年は控えめに言語化しておきます。
本音ベースで書いてしまうと、昔から「男なら早く30、40になって渋みを増してきたい」と思っていたクチなので。特別な感情は湧いてこないのだなと、自分でも意外でした。
早く「歳は、40いくつです」って言いたい。
Facebookにはあたり障りの無い飲み会しかポストできていませんが、充実した毎日を送っています。
色々なことに真正面からぶつかっていくのもいいけど、最近は、もうちょっと着飾っても良いのかなと思っています。それくらい。

少しだけ振り返ると、

この1年は様々な分野の本を読む準備が整ったというか、一気に量も消化率も上がって、まだまだ当分続きそうなフェーズです。
んー、そこに伸びシロあったかという感じ。


理由は簡単で、この半年間は対外的に公表していないことを含め、
社長含む役員陣と、つまりは、会社の経営のど真ん中の領域で喧々諤々の議論を交わしながら、会社の構造転換を推進する仕事をしてきました。
社内でも相当に秘匿性の高いPJTのため、ずっと缶詰でセキュリティをかけた部屋に籠って、経営者の悩みを聞き続けています。
当然、内容は多岐にわたり、このブログでも何本か記事にした組織のことだけでなく、それ以外にも、報酬制度や、経理/財務/人事のオペレーションのこと、意思決定の場や決裁権限・規定のこと、IR・広報のことなどにも深く関わることが出来ました。
結果として、一気に論点のありどころや、悩みの内容がわかる領域が広がりました。
総じて、いまのフェーズに、この会社で、この仕事に関われて運が良かったなと思っています。


目立った成果は、これから出てくるのだろうと信じていますが、6ヶ月は本当に長かった。
会社としても、事業の立て直しに向けた準備期間としてじっと堪えるフェーズにありますが、
自分の成長カーブのイメージとしても、しゃがんで力を溜めている感じを持っています。
バリューを出している調子乗っている感とは程遠く、色々な人にも怒られながら、手厳しいつっこみを受けながら、自分の力不足を認識する場面が多かったように思います。
スキルセットとしていままで自分が磨いてきた領域はまだ良いにしても、もっと他に伸ばすべき領域が見つかったのはポジティブに考えると良かったのでしょう。
もう一度、どこかで同じようなフェーズの会社で課題解決に取り組むことがあれば、もっと上手くできるようになっているはずです。


課題の棚卸

自分でもそこまで振り返り切れていないので歯がゆいのですが、共感してもらうのは難しいのは百も承知で言語化してみます。

「伝える」と「伝わる」の違い

ハーバードで学ぶマネジメント・コミュニケーション

ハーバードで学ぶマネジメント・コミュニケーション

  • 作者: マイケル・エルキンズハタズリー,リンダマックジャネット,水谷栄二,Michael Elkins Hattersley,Linda M. McJannet,林和恵,木村けい子
  • 出版社/メーカー: 生産性出版
  • 発売日: 2005/07
  • メディア: 単行本
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いままでも目の前のステークホルダーを動かしてナンボと思っていましたし、多少なりとも自信があったのですが。今回の経験を経て、これだけ立場や考え方の違う、かつ、力のある人たちを動かすには、いままでのやり方が通用しない場面に何度も出くわしました。まだまだ甘い。
中でも、「伝える」ことと、「伝わる」ことは、天と地ほどの差があることを意識しました。
同じことを言っているにも関わらず、伝わらない人がいる。
内容以前に、進め方や、話の導入部で躓いて進まない人がいる。
ある程度、賢い人たちに囲まれると気付かない部分ですし、いっくら賢い人でも、議論の内容や利害に絡んだ瞬間、立場が目を曇らせます。
しかも、誰しも邪魔したい訳ではなく、真面目に考えてた結果として、そういう行動を起こしている訳で、彼らの立場や背景を十二分に汲み取って納得度を高めていかなければいけないのは、前職のことから刷りこまれています。
それでも、自分の引きだしが足りないせいで、余計な労力がかかることが何度もありました。

客観的な立場を貫く

自分では客観的と思いつつも、いつのまにか自分の主張が言葉の端々に出てしまったせいで、立ち回りに失敗したのは痛恨の極み。
どれだけ客観的な立場を巧く装いつつ、主張を通すか?
ここは大先輩に指摘されて初めて頭を使うようになりました。

「沈黙」の威力

影響力の武器[第二版]―なぜ、人は動かされるのか

影響力の武器[第二版]―なぜ、人は動かされるのか

影響力に関する書籍を読んだことがある人ならだれでも一度は目にしているでしょう。
僕も知っていながら、巧く実践できていなかったポイントです。
「沈黙」を効果的に使うことを実践しながら、まだまだ自己開発しきれていない感を覚えています。

知らない領域での「質問力」

質問する力 (文春文庫)

質問する力 (文春文庫)

「質問力」と書くことに、強い抵抗がありますが、、、それ以外に上手い表現が見つかりませんでした。
前職からも相当に磨いてきたスキルです。
素人ながら、相手を不快にさせない、かつ、信頼を失わない、逆に信頼を勝ち得るような質問や議論の進め方が存在します。
通常は、「言葉遣い」、に力点を置きながら色々工夫を重ねるものなのですが、
最近は、「一発必中」「言葉以外の態度」を意識しています。
詳しいことは省きますが、言葉遣い以上に、大事なことだと思っています。

リーダーシップの重要性

最高のリーダー、マネジャーがいつも考えているたったひとつのこと

最高のリーダー、マネジャーがいつも考えているたったひとつのこと

リーダーシップと書くとトップに求められる資質のように聞こえますが、日ごろの業務で発揮すると強烈な効果を生むことを目の前で見せつけられました。
この辺を巧く言語化している本には出会ったことがありませんし、もしかしたら存在しないのかもしれない、と思うほど、実践できている人は少ないでしょう。
本当のリーダーシップは、立場を超えて、人を惹きつけます。
時に図々しくリソース拡充を交渉することも可能になります。
そんな世界。
面白さや人間的な魅力といったレヴェルを超えて。
強烈な一貫性と、日々の成果を見せつけながら、初めて周囲が認め始める、絶対的な正しさへの信頼がベースになります。
自分の方向性は間違っていないのはわかりつつ、いくつかのポイントでレベルアップが必要そうです。

今後のはなし

これまで、コーポレートと事業の中間くらいのところで経営イシューを扱っていましたが、
今後は、一番大きな事業サイドの戦略機能として、事業の立て直し、が明確にミッションとなる仕事に就きます。
組織や仕組みは、この2ヶ月くらい、練りに練った理想的な形でスタートしました。
マネジメントとの距離も以前より近くなり、事業をハンドルする手触り感は、一気に増します。
少なくとも成果が出るまでの半年間は、また没頭する時期が続きますが、これも縁かなと。
常に、一番アツい領域の中心に居続けられることに感謝しつつ、頑張りたいと思います。


そこで思うのは、仕事もプライベートも、1年前に今の状況は想定できていなかったので、今後の1年も意味ないのだろうなと。
そういう向き合い方をしています。
ただ、僕自身は、行き当たりばったりや、上手く流れに乗るようなやり方ではなく、控えめに言っても、もの凄く計画的に生きている人間です。将来のことはわからないから、手放しにいま楽しければいい!とか、目の前のことを真剣に取り組めば良い!と、夢を放棄している訳ではありません。
実際は、全くの逆。
5年、10年後をイメージ描きながら、半年後、1年後どうするか?というのは、常に考えています。
イメージが描ききれないうちに新しいことにチャレンジすることに抵抗を感じるほどです。
まさに、計画マニア。
それも、年々、不確実性を受け入れながら、直観で荒波をかき分ける生き方も嫌いじゃなくなってきているのは確かです。
むしろ、流れをつかむ、動かない方が良いタイミングでじっと辛抱する、いざというときに花を開かせる等、年単位の大局的な動き方は、もしかしたら得意なのかもしれない。
いや、この1-2年の成果を見る限りは、得意なんだろうと確信できます。


もう少し先のことを考えてみると。
ファームでサバイブできる人種の人は、会社へのロイヤリティが低い、とは別の次元で、転職の機会や、キャリア形成に対して、もの凄くオープンマインドな人が多いです。当然、いつでも会社を辞められる覚悟を持ち、実際に、2-3年で成果を出して、次の会社に移ることに対して何も躊躇はありません。
なので、僕もすぐに辞めるのか、と言われると、正直わからない。
転職するというオプション以外にも、いまの会社の中で新規事業立ち上げて子会社化したり、一番大きな事業の責任を担うといったオプションも全然あり得ます。


もう少し具体的に書けることがあるなら、、、人生そういうもんだと折り合いをつけつつ、
「縁」や「偶然」にも助けられている頻度が増してきているので、より感性を磨きつつ、目の前の一瞬一瞬を大事にしてゆきたい、ということです。
同時に、次のピークを30半ばをイメージしながら、1日1日を大事に過ごしていく他ないのだろうと。まだ先は長い。
お陰さまで、これまでの短い人生でも、背中が遠い人にたくさん出会ってしまったので、甘えてらんないし、まだまだやれると信じて、想像の限界を引き上げながら、また1年頑張ろうと思います。
まずは、ココで結果を出す。それから考えても遅くはないでしょう。

余談になりますが、

まだ20代なもので。今年初めて、自腹を切って、初人間ドックを受けました。
そこでまさかのD2判定から一転、走る/運動するが定着しました。健康大事です。
入浴中・睡眠前に加えて、自分の身体と対話する時間が増えたことは、肉体的なメリット以上に、精神的にも成長を促してくれたと思います。
いまもジムで走り、筋トレする習慣は続いています。
継続のコツは、無理をしないこと。

  • ランニングマシンは、スピードを速くしすぎず徐々に加速すること
  • 歩くのもOKの自分ルール
  • 無理して毎週行かず、2週に1回のペースでもOK
  • 週1回の深酒はOK
  • コーヒーを辞めて、原則、炭酸水にすること。ただ、コーヒーは1日1杯(1本)はOK
  • タバコは辞めない。本数減らすのも意識しない

これによって、3ヶ月後の再検査では、見事、完璧にA判定。10km/60min走り続けられるだけの体に仕上がりました。
ま、軽く気をつければ3ヶ月で治せるのは、まだ若い証拠なのかもねとも。