ignorant of the world -散在思考-

元外資系戦略コンサルタント / worked for a Global Management Consulting Firm in Tokyo

マネジメント・イシューを当てに行く力

yo4ma32012-09-10
『マネジメント・イシューを当てに行く力』というか、
『外さない力』というのは、
経営陣の下にいる、中間管理職の部課長レベルには、必須の力です。
マネジメント・イシューというのは、『経営陣の最大の関心事項』のことです。
もっと言えば、『社長の頭の中にある一番関心の高い論点』です。


コンサルタントとして、4年も働けば、さすがにソコは大きく外さなくなります。
コツは、たった2つだけです。


(1)「ただ愚直に、マネジメントの言葉を拾うこと」


そして、


(2)「拾った言葉と、断片的な情報をベースに、社内の色々な事情を重ね合わせて、
立体的に、複合的に、その瞬間のマネジメントのイシューを想像すること」


意外とここを怠る人が多い。

  • 言葉をスルーする。断片的にしか覚えていない。
  • マネジメントの言葉をメモするが、”自分の言葉”に変換して理解してしまう。


などは、(1)ができていない証拠。
逆に、(1)ができている、というのは、


-キーマンが言った言葉を一言一句復唱できるくらいに、頭に叩き込むレベル
-そのときの文脈とキーマンの放つ言葉の関係を、きっちり理解し、咀嚼し、展開できるレベル


のことを言います。


(2)については、単純です。
社内のいろいろな人の(1)を、全部、愚直に積み重ねるだけです。
誰か1人が言ったことではなく、全員分です。
あとは、想像力の問題。その精度を上げるだけです。


僕が思うに、だいたい論点を外してしまう人は、(1)で”できている”レベルに至っていないだけです。
厳しく言うと、


サボってる


だけでしょう。やればできることなので、やっていないだけ。


この問題は、マネジメント・イシューという大それたものの話だと思った人。
違いますよ。


日々の仕事で、上司やチームの期待値に応える、期待値を超える、ということは、
(1)(2)と、同じことができないと達成できません。
いつも、上司の期待値や論点を外してしまう人は、大概(1)ができていないだけです。
単純に、ヒトの話を聞いてないんですね。


で、世の中、思った以上に、ヒトの話を聞かない人が多い。
仕事のできる人でも、全然、話の内容を覚えていないし、
まして、裏側の背景などに想像を巡らせていないから理解も浅い。
浅く、自分の言葉で勝手に理解して、要領よくこなしているヒトが多いのは、もう1,000人、2,000人もいる会社にいれば、さすがに日常茶飯事です。


それでも、「できる人」って評価になるのは、僕には理解できない。
逆に、その辺をよく理解できているヒトが、「できない人」って評価になるのもしばしば。
要は、評価者が、何が大事か?、大事なことを誰ができているのか?ってのを、わかっていないんですね。
(当然、結果がすべてなのですが。。。)



もし、あなたが、1日前の打ち合わせで、
誰が何を言っていたのか、一言一句暗記できていないとしたら、要注意です。
MTGが多過ぎるのか、不必要なMTGに入っているのか、あなたの理解度が悪いのか。。。
いるだけならノーバリューなので、いずれにせよ、意味ないです。後でメモ見るか、要点だけ聞けばOK。
何が何でもそうしなきゃいけない、という話ではなく、
それぐらい高い目標設定しておきながら、PDCA回しまくるのがちょうど良いくらいなのではないでしょうか。


いまの会社で、何があった、というわけではなく、僕が入社当時から言われ続け、苦しみ続け、やっとの思いでできるようになり、いまも、さらなる上のレベルを目指して頑張っている点について書いてみました。
実は、似た問題が、人材育成、についても言えるのですが、また次の機会に



経営戦略の論理 〈第4版〉―ダイナミック適合と不均衡ダイナミズム

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