クライアントの方が偉い
弊社のあるパートナーのお話。
「僕がマネージャーの頃、あるPJの最終報告で、意気揚々と、プレゼンしていた。」
「経営陣全員の反応も上々で、アウトプットに対して自信もあって、とても気持良かった。」
「だって、日本で誰もが知っているような大企業の経営陣が、いままでずっと悩み続けて、
それでもわからなかったことに、解を示せたから。僕だけが、答えを出せたから。」
「お客さんよりも自分が賢くて、偉いんだ、と勘違いしていた。完全に天狗だったんだよ。本当に気持ちが良かった。」
「でも、僕のプレゼン中、役員の1人だけが、じっと下を向いて、顔を真っ赤にして、震えていたんだよ。」
「なぜだかわかる?」
「プレゼンが終わって、その彼に、僕だけ部屋に呼ばれたんだ。」
「そうしたら開口一番。
『本当に、恥ずかしい。我社は、自分たちの問題を自力で解決出来ないほどの経営陣しかいない。』
と。」
「彼は僕のプレゼン中、ずっと恥ずかしさを耐えていたんだね。」
「大の大人が、顔を真っ赤にして、自分を恥じてるんだよ?信じられる?」
「もちろん、PJのアウトプットには満足して頂けていた。
証拠に、その後も、彼とはずっと仲が良くて、たまに呼ばれては色々な話をした。」
「僕は、この経験があって、物凄く反省した。」
「いつかきっと、皆さんも、お客さんよりも偉い、と勘違いする時期がくる。」
「でもやっぱり、事業会社を経営している、クライアントが1番偉いんだよ。」
「皆さんも、忘れないで欲しい。」
もう2ヶ月以上前の話なんだけど、脳裏に焼き付いて、こうして文字に起こせるくらい強烈に覚えている。
何があった訳でもない。
でも、話にあったクライアントの役員の姿と、パートナー自身が、顔を真っ赤にして恥じている姿、がダブって見えた。
とても印象的な話だった。