ignorant of the world -散在思考-

元外資系戦略コンサルタント / worked for a Global Management Consulting Firm in Tokyo

仕事納め。集大成。

yo4ma32012-12-29
今日は、上半期の総決算。世界中に散らばる全社員数千名がホテルに集まり、納会を行う一大イベントがありました。
毎回恒例のMVP授賞式。
冒頭、いきなり、


「CEO Award(社長賞)」を受賞


してしまう光栄に預かりました。そんな柄じゃないのに。。。
ただただ、恐縮するばかりで、言いたいことの半分も言えず大スクリーンに映る自分を眺めながら、
日頃お世話になっていた社内の方々への感謝の意を述べました。


本当に、ありがとうございました。


ブログの読者の方も内定者・社員に多くいたらしく、何人かの方には直接お声掛け頂き、
身バレする予想外の反響もありました。笑


ただただ感謝です。


企画系の職種は、直接、売上・利益に貢献するような、目立った仕事が少ないものの、
その中で、愚直に会社・マネジメントに対するバリューを磨き、放ち続けてきた成果かなぁと思います。


いろんな思いが駆け巡る、数分間でした。
檀上で一身に注目を浴びるのは、本当に柄ではないので、部署の仲間によると「苦々しい顔」をしていたらしいですが。。。
本音は、表現しきれなかった部分もあるので、改めて、お伝えしたかったことを、ここに文章で残しておきたいと思います。

こんな若造が勝負できるわけ

事あるごとに取り立てて頂けるのは、それを引き上げてくれている上司のおかげ、以外のなにものでもありません。
もはや、何も言えまい。


ただ、上司の贔屓、それだけでは全役員を納得させて、他の候補者を差し置いて、賞を頂くことはできないだろうと安易に想像がつきます。
そりゃ、自分の部署から受賞者を出したいと思うのが、全役員も思うところであって。
だからこそ、


「がんばったで賞」


ではなく。


「結果・バリューを出したで賞」


でなければならない、と理解しています。
そこは、明確に仕事の態度として、意識し、徹底し、反省してきたところです。


バリューって何か。
バリュー出すにはどうしたら良いか。


このことだけを突き詰めて考えた量なら、誰にも負けない自負があります。
で、実際に、活躍する場を与えてくれる懐深い会社に、心の底から、凄い会社だなぁと日々思っています。


この半年は、運が良かった。


いつ来るかわからないチャンスに対して、誰よりも準備をしてきたのは、そうかもしれません。
が、先ほど書いた通り、
「結果・バリューを出したで賞」
という意味を想像するたびに、結果を出すことの厳しさ・至らなさを痛感します。
こんな賞を貰ってしまって、もはや後には引けなくなり、プレッシャーだけがのしかかります。


その意味で、勝負をするだけの下積みは十二分にあった、という愚直な積み重ね、以外に、理由はなく、
あとは、たまたま今回、運が良かったなぁと、反省しきりなわけです。
これが、身も蓋もない話、若造が勝負ができるわけ。

  • 2010-08-05 クライアントの方が偉い

http://d.hatena.ne.jp/yo4ma3/20100805/1280939180


昔書いた話のとおり。
僕が調子に乗ることは、まだ30年くらい早い。
この思いが根底にあります。
「信念」と呼べるレベルで、刷り込まれてしまっているのです。


本当に、運が良かった。
いろんな巡り合わせで、力を発揮する場を、1度や2度ならず、山ほど用意してもらえました。



部内の仲間のおかげ。

うちの部署には、いろんな分野のプロフェッショナルがそろっています。
建前上、檀上では言及できませんでしたが、彼らの助けなしに僕の仕事は回らないので、言葉に尽くせないほどの感謝です。


プロダクト/ユーザーの数字の事ならこのチーム。
裏側のデータ定義を確認するなら、彼。
目立たないけれど、毎回質問をすると、きちんと答えを知っていて返してくれる頼もしい存在です。
毎月の社長報告のために、ログデータを加工して、データの定義まで確認しながら、すべての数字を支えてくれる彼女。
分析のスペシャリストとして、統計解析の専門的な知識・スキルを駆使して、知恵を貸してくれる彼。


カスタマーの事ならこのチーム。
月に何本もの調査を、時に、緊急案件を差し込みながら、一連の調査を設計〜実施〜分析まで行ってくれている、彼ら。
僕が見切れない細かな数字まで見つつ、無理な推計や補正を行い、経営判断に使う数字を練り上げる彼。
アンケート調査をかけることの大変さを知り尽くしているからこそ、本当に凄いなぁと毎回思います。


グローバルの事ならこのチーム。
日・米・英・伊・蘭・スペイン・中・台の混成チームで、各拠点の数値管理、マーケットデータを整備してくれる頼もしい奴ら。
世界の携帯市場を知り尽くした、パーティ好きのスペシャリストの彼もいる。


お金の数字の事ならこのチーム。
1年にも及ぶプロジェクトを通じて、この会社のスピード感で意思決定に使えるだけのオペレーションに落としている彼ら。
会社中のお金の流れを理解し、正しく、早く、その数字を出す彼。


他にも、色々な場面で個々人・チームのケイパビリティを、惜しげもなく提供して、サポートして頂いています。
ありがとうございました。



何よりも必要なのは「想像力」

事あるごとにブログにも書いていますが、この部署で活躍するには何が必要か?と問われれば、
迷わず、「想像力」と答えます。


言われたことを完璧にこなすだけでは、単なる二流。
言われてないことまで読み取って、必要なときに、必要な熱量で、必要な言葉で持って、伝えられれば、一流。
さらに、実行までドライブするだけの、あらゆる”動き”ができて、初めて、超一流。


数字を読むだけなら、誰でもできる。
資料を読み込むだけでも、誰でもできる。
ExcelやPPTを一定以上習熟するだけなら、誰でもできる。
プレゼンやコミュニケーションで、相手を説得し、行動まで促すだけなら、誰でもできる。


ただ、すべてに共通するのは、「想像力」です。


数字の裏側を読み解く想像力。
資料の行間を読み取る想像力。
納期と正確性を担保しながら最速で仕上げるだけの想像力。
相手の心のレバーを見極める想像力。


想像するだけなら、時間の問題なので、皆平等に用意されています。
あとは、やるか、やならいか、やり切るか、その違いです。
僕もまだまだ修行中の身なので、できていないことばかりです。
それでも、ただただ毎日、毎時、毎分、愚直に素振りを繰り返しています。


今回は、ちょっとだけ、僕の想像力が、社長はじめ役員の思考を超えられた場面があったのかもしれません。
彼らの抱えるイシューの数と重さに比べれば、僕の領域は、幸せなもんで。
その限られた「戦略」の領域で負けていては、本当にノー・バリューです。
だから、少しでも届き、勝てたなら、良かったな。とホッとしています。



これから

次の半年は、また本業の「戦略」に注力する予定です。
分散していた思考と時間を、一気につぎ込んで、目いっぱいレバレッジしようと企んでいます。
そう簡単には抜けられない案件ばかりですが、とにかく、そっちで、もっとバリューを出したい。
その暁に、チームで、またMVPを獲りたいと心底思っています。今度は個人ではなく。


今年の反省や、来年の抱負は、またゆっくり年末年始に思いを巡らしますので、今日はこの辺で。
本当に、ありがとうございました。


これから半年間は、自分の写真が特大パネル(畳1-2枚の大きさ)にされ、
社内の至る所に飾られるという、羞恥プレイに耐え忍ぶことになります。。。ふぅ。




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