ignorant of the world -散在思考-

元外資系戦略コンサルタント / worked for a Global Management Consulting Firm in Tokyo

答えのない世界で、どう動くか?

事業環境が目まぐるしく変化する中で、経営の舵取りをするのは、大変難しいことです。
特に、インパクトの大きな意思決定であればあるほど、不十分な情報しかないなかで、
経営者の判断力が問われます。


インターネット業界が変化の速い世界であることは、これまでも理解してきたつもりでした。
しかし、実際のマネジメントイシューに、自分がアドレスしながら、意思決定を直接的にサポートできる立場になり、
一層、その速さを体感しています。
コンサルタント時代には、日本を代表するような大企業を取り巻く環境をベースに、
もっと時間軸が長く、かつ、スケールの大きなイシューについて、頭を使ってきました。
外部の立場ということもあり、2か月半程度は、じっくり考える時間がありました。
そのギャップもあってか、いまの会社のあるべき意思決定のスピード感に、若干の戸惑いを覚えています。


いまの仕事は、GWを挟みましたが、3週間で正味15営業日。
その間に、社長以下役員の意思決定の場に対して、国内の事業戦略をアウトプットにまとめなければいけませんでした。
これまでの積み重ねや、周囲のサポートもあり、もうすぐゴールです。


検討を進めながら、思ったのが、タイトルの「答えのない世界で、どう動くか?」ということです。
会社として、意思決定のスピードを重視するべきなのか?
それとも、肝を外さず、より競争力を高めるような戦略を正確に描ききることを重視するべきなのか?
答えは、どっちも。というのは、皆が口をそろえて言うでしょう。
置かれた環境にも依存するでしょうし、事業の性質や、これから目指す方向性などにも影響されるでしょう。
たとえば、市場環境さえ良ければ、早めに動いて、PDCAを回しまくることで、会社の業績も一定の上向き角度で成長することができるでしょう。その先が収益が最大化された未来かもしれません。
あるいは、考えるべき対象が、中期経営計画と、年間計画と、月次計画と、でも区別しなければいけません。


正直、こればっかりは、case by case なのですが、
少なくとも、いまの会社について、自分なりの答えを持っておきたいと思っています。




また、スケールを一気に変えて、
「会社」を主語にするのではなく、「個人」を主語にした場合には、どうなるでしょうか?
ちょっと想像してみると、会社の経営にも参考になるかもしれないなぁと。


まずは「答えがない」ということに対して、どれだけ腹落ち感を持って、理解できるか、で全く異なる結論になるでしょう。
ノーリスクであれば、自由にやっちゃってくれて良いのですが、
現実には、答えがない世界で、何かを意思決定することは、リスクを負うこととイコールです。


そのリスクを十二分に理解したうえで、大きく3つくらいの態度に分かれるかなぁという印象です。


「答えがないなら、とにかく、自分が正しいと思うことを好き勝手にやりたい」


「6割型合ってれば良いから、Quick and Dirty にまずは意思決定して、実際に動いてみて、とにかくPDCAを回すのが近道だ」


「いや、答えがないからこそ、納得ゆくまでじっくり考え切って、正解までギリギリに近づきたい(自分ならできる!)」


みなさんは、どうでしょうか?
僕の周りを見ている限りでは、本当に個々人でこの態度が違います。
自分の得意技で勝負するのが一番で、それを会得している人ほど、成功しているように見えます。


自分にコミットし、望む未来を実現するためにも、自分の得意技をまずは認識することから始めるのが良さそうですね。


翻って、会社組織として。


やはり、得意な意思決定の型と事業開発のサイクルを回すモデルが存在します。
そして、意思決定をするマネジメントと、彼らを信じて突き進む組織・ヒトの相性によっても、得意なモデルが異なります。


うちの会社の特性を踏まえると、どうなんだろうなぁ〜と、コンサルティングファームの組織風土や、インターン時代の紆余曲折を体験したネットベンチャー企業の組織風土の変化、などに思いをはせながら、もやもや考えています。


まだ3週間。されど3週間。
少しずつ、この会社のことを好きになれそうです。



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