ignorant of the world -散在思考-

元外資系戦略コンサルタント / worked for a Global Management Consulting Firm in Tokyo

経営思考の「補助線」(御立尚資)

yo4ma32011-04-06
さて、本日は2冊目。本日は羽田空港から、四国行きの便を待っているところです。
ラウンジでパソコンを開いて、メールチェックがてら記事をアップします。
しばらく平日は、書きためた記事を順次吐き出す形で、更新してゆきたいと思います。

経営思考の「補助線」(御立尚資)

経営思考の「補助線」

経営思考の「補助線」


こちらはコンサル業界の偉人、ボストン・コンサルティング・グループの日本代表、御立さんの本です。
日経ビジネスオンラインで読まれていた方も多いと思いますが、「御立尚資の『経営レンズ箱』」というコラム(エッセイ)に加筆・修正を行ったものです。


金融危機以前から世界の潮流が目まぐるしく変化し始め、先を読むことが難しい時代となりました。
多くの日本企業が10年、20年先を見据え、世界展開を視野に入れた中長期戦略を模索し始めたのもちょうどこのタイミングです。
日頃のコンサルティング・ワークの中でも、金融危機以前のコスト削減、業務改革の風潮から一転、海外・新興国へのエントリー戦略や、新規事業戦略、中期経営計画、M&A・提携戦略、新たな投資基準の構築など、先行き不透明な不安感と同居した、攻めの姿勢を持ったクライアントさんからの面白いテーマが劇的に増え、この変化をビビットに感じてきました。


本書は、2007年、2008年を中心に書かれていたコラムなので、時勢ものの話は多少古いテーマとなりますが、いま現在も根底に流れる世界の潮流を捉える上で、非常に示唆に富んだ良書です。
そもそも本書を書くにあたっての問題意識は、上記の変化を受けてのものです。

最近の金融危機は、多くの企業にとって大変な「大波」だ。
(中略)
現在は、うすうす塩の変わり目に気づいていたところに「大波」が来て、不安感が不安感を生むという状況にあるようだ。
金融危機以前から、企業や消費者の大部分は、日本を取り巻く大きな変化が起こりつつあることに、なんとなく気づいていた。
(中略)
ここから抜け出すためには、三つの処方箋が必要だ。
1.「潮の変わり目」について、より深く理解し、自らへの影響をできる限り具体的にイメージできるようにする
2.政治・社会・企業の各システムを、変化に対応できるものへと変革していく
3.何よりも、リーダーが新しいリーダーシップのあり方を考え、身に付けることで、先の見えない中でも、明るく、楽しく、前向きの姿勢で組織を引っ張っていく
(「経営思考の「補助線」」より抜粋)

自社のビジネス環境が大きく変わるいま、10年、20年単位での潮流を見極め、将来に向けた資源配分を行う時期に来ているのは確かです。
こうした世界的な視点から「潮流」を洞察されたい方には、オススメの1冊です。


また、コンサルタントの頭の使い方という意味においても、軽やかに読みやすい文体の中に、日頃のニュースや出来事、読書体験などの良質なインプットから、コンサルタントならではのインサイトの種を導き出す様子が、よくわかる良書です。
コンサルティング業界に興味のある方なら読んでおいて損はない本です。


ちなみに、世界潮流を読むための良書も紹介しておきます。
特に、100年予想は、日本と諸外国の展開の地理的、軍事的、政治的駆け引きから導きだされる、あっと思わせる展開は、非常に面白いです。個人的に、飲み会の雑談でよく使っているネタです。
ビジネスマンなら必読ですね。


2020  10年後の世界新秩序を予測する

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100年予測―世界最強のインテリジェンス企業が示す未来覇権地図

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世界潮流の読み方 (PHP新書)

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レクサスとオリーブの木―グローバリゼーションの正体〈上〉

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フラット化する世界 [増補改訂版] (上)

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ソフト・パワー 21世紀国際政治を制する見えざる力

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明日の世界を読む力―ビジネスリーダーのための

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経営思考の「補助線」

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