続・「最高にエキサイティング」なアウトプット
前回の記事では、コンサルティング・ファームにおいて求められる、狂気なまでにこだわり尽くしたアウトプットについて、マトリックスの話などを紹介しながら体験ベースで書いてみた。
今回は、「最高にエキサイティング」なアウトプットを実際に追い求め、結果を出し続けているGoogleについて。
わざわざここで紹介するまでもないほど、世間にその凄さを認知されているGoogleについて、いまさら何を紹介するのか?
自分もネット業界に3年弱いたからに、GoogleなんちゃらProfessionalなんて資格も持っていて、Google本を読みながら、中身を経験的に理解できるもんだから、
世間一般の人よりも、その凄さを理解しているつもりになっていた。
でも、甘かったよ。という話です。
経営理念に掲げちゃう凄さ
最近になって初めてGoogleの経営理念のページを見たところ、
舌を巻くほどに、驚いた。
"最高" に甘んじない
Googleの経営理念 / Google が発見した10の事実
これが“経営理念”なのである。
この手のアメリカ的な考え方は、以前に紹介したトム・ピーターズのマニュフェスト(1)『デザイン魂。』にも一貫して主張されている。(ぜひ、読むことをオススメする。人生観が変わるはず)
ニュアンスとしては、単なるNo1ではなく、No1かつOnly1を目指す姿勢を表している表現。
しかも、その「Only1」の定義も生半可なものではなくて、「世界初」「宇宙初」「史上初」「全世界初」のオリジナリティを発揮して初めて認められるものだ。
僕の意図的な解釈が多分にして含まれているとは思うけれど、coolだ。
しかも、驚くことに、これだけ企業のHPがブランディングの一部に組み込まれ、デザインに趣向を凝らしている、いまにおいて、
ただただ、さらっと、boldフォントで書いてあるだけ。
そこまで貫くかと。
どんだけCoolなんだよ、この会社は。
このページはさらに続いて、Google が発見した10の事実なるものを紹介している。
特に経営理念を反映しているのが、2と10。
2. 1 つのことを極めて本当にうまくやるのが一番。
Googleの経営理念 / Google が発見した10の事実
・・・
10. すばらしい、では足りない。
下に記述されている説明なんて、どうでもよくて、自分の仕事にあてはめて考えてみてください。
きっと新しい発見があるはずです。
Googleyなデザインとは
GoogleのDesign Principles(デザインの原則)にも、この徹底した経営理念が、随所に散りばめられている。
Googleyなデザインの根底には、やはり、「"最高" に甘んじない」経営理念があったのだ。
特に、2,5,6が秀逸。
2. Every millisecond counts.
Ten principles that contribute to a Googley user experience
…
5. Dare to innovate.
6. Design for the world.
…
説明分の意味も含め、日本語に訳すと
2. すべて1000分の1秒単位で最適化せよ
(速さが、Googleの競争力の源泉である)
…
5. 革新に挑め
(デザインの一貫性を捨ててでも、ユーザーのためにイノベーションに挑むことを推奨する)
6. デザインは、世界のために
(物理的、認知的制約を越えて、世界中のあらゆる人が世界中の情報にアクセス可能になることが、Google の使命である)
…
超coolな考え方。
もう唸るしかない。
What's 経営理念 ?
この1年弱の短い期間ではあるけど、いろんな会社の経営について、実際にどっぷり浸かるほどに身近に携わり、時に本や話を通じて理解を深めてきた。
「経営理念」といった、ファジィで柔らかいテーマで、ここまでに明確な態度をとり、行動に移し、結果を出し続けている企業は、他に類をみない。
そればかりか、日本企業の延長線に、こういった企業が現れることを想像すらできない。
地域なのか、人種なのか、文化なのか、違いに起因する部分は多分にあるし、一方で日本企業の良さも忘れてはならない。
が、
だったら仕方がないわけではなく、一度立ち止まって、企業体としての在り方を見直す時代に来たのではないだろうか。
そんな思いにさせられた、Googleの2ページでした。
まぁ、これでこそ、Googleなんだが。
最高にエキサイティングな会社です。