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ignorant of the world -散在思考-

元外資系戦略コンサルタント / worked for a Global Management Consulting Firm in Tokyo

「最高にエキサイティング」なアウトプット

Consulting work / 仕事

yo4ma32008-08-10
コンサルティングファームに入って、まず衝撃的だったこと。
それは、みんな当たり前のように長時間働くことや、話している言葉がわからないことでもなく、
アウトプットに対する徹底的な、執拗なまでのこだわり。
これがプロフェッショナル・ファームをプロフェッショナルたらしめる最大の理由である。


常に、自分の時間フィーを意識させられ、アウトプットのスピード・質を問われ続ける。
極端な話、30分おきに何をして、何を成果物として出すのかチェックされ続ける。
ありえないぐらいのストレスです。


実感してもらう以外、理解するのは難しいと思うので、
以前、このブログで紹介した波頭亮『プロフェッショナル原論』に載っているプロフェッショナルコードを参考までに。
先の「こだわり」は、ここに出てくる狭義の「アウトプット・オリエンティッド」ではないので注意して欲しい。
むしろ、ここに出てくる5つの原則全てを含んでいると思ってもらえばよい。


プロフェッショナル・コード

1.クライアント・インタレスト・ファースト
すべてはクライアントのために。お客様は神様ではない。
クライアントのためのとあらば、時として、キツイ言葉を投げかけ、喧嘩もする。


2.アウトプット・オリエンティッド
結果がすべて。必ず結果を出す。問題は解決するために存在する。


3.クオリティ・コンシャス
本気で最高を目指す。考え得る最高の水準。世界初。


4.ヴァリュー・ベース
コストは問わない。
高いフィー=自分の時間とエネルギーは可能な限り最も付加価値の高いプロフェッショナル本来の業務に集中投下しなければならない。
プロフェッショナルは、今自分は何をするのがクライアントに対して最も大きなヴァリューを出せるのかを常に意識していなければならない。


5.センス・オブ・オーナーシップ
すべて決め、すべてやり、すべて負う。
他人をアテにしないけれど、上司の評価は絶対。認定の十分条件を満たす。



基本中の基本。
常に立ち返るべき原点です。

How to do it.

ファームで結果を残そうと思ったら、ただ仕事をがむしゃらに長時間やればいいという訳ではない。
誰よりも仕事をがんばって、結果を出してやる!なんて考えている学生の方は多いはず。
自分もその一人でしたが、「How」の部分は、実際やってみないことには考えが回らないもの。
そこで、ヒントになるようなTipsを紹介します。
これを意識することで、多少なりとも、アウトプットの質を上げられるはず。
友人から教えてもらい、日々意識し続けていることです。


コンピューター系の論文の書き方のHow toを示した書き物として、DB分野で有名なJennifer Widomの記事から。
Tips for Writing Technical Papers (Jennifer Widom)
http://infolab.stanford.edu/~widom/paper-writing.html
この中の、introductionが非常に示唆に富んでいる。(意訳を加えました)
元ネタは、Stanford InfoLabの「five-point structure for Introductions」。

  1. What is the problem? (解くべき課題は何か?)
  2. Why is it interesting and important? (なぜその課題が面白くて重要なのか?)
  3. Why is it hard? (その課題のどこが難しいのか? 簡単な方法で解けないのか?)
  4. Why hasn't it been solved before? (なぜ今まで解決されてこなかったのか?)
  5. What are the key components of your approach and results? (あなたの仕事のアプローチと結果の、どこが重要なのか?(あるいは独創的なのか))
Tips for Writing Technical Papers (Jennifer Widom)


さらに、こちらはネットのどこかで見つけて、コピペしてとっておいたもの。
Dan Suciu「motivating example が伝えるべきこと」

(1) why it's more efficient in your solution
(2) why it is not obvious how to do it
(3) how your solution is smart and unexpected.

特に、問(3)が秀逸。
自分のアウトプットをクライアントや上司に説明する際は、必ず意識しよう。

アウトプットの質

アウトプットの質について、インスパイアされるものは街中にある。広告やロゴは最たる例だと思います。
居酒屋のメニュー表、走っている車のボディ・ライン、いま座っている椅子のでっぱり一つ、、、
教材に事欠くことはない。


個人的にお気に入り(というか、癖)は、タクシーの中に置いてあるチラシの「フォント・デザイン」を観察すること
コピーライターやそのイラスト・デザインを経験したことがある人にはわかるはずですが、
文字の大小、全体的な色使い、白抜き・色抜き、フォントタイプ、配置、文字間隔、角のトメ・ハネ、、、、
誰かが一目見て、目に留め、中身を印象付けるために、あらゆる努力が詰まっている。


プロフェッショナルの「アウトプットの質」を観察し、示唆を得るためには、こちら側の「見る目」も必要になる。
同じものを見ていても、得るものは驚くほど人により異なる。顕微鏡の「分解能」と同じだ。
その分解能を鍛える努力は、「アウトプットの質」にモロ影響する。日常生活で意識的に鍛えたい。


先のマネージャーは、
「マトリックスを30回は見てる。塵の動き一つとってみても、あそこまでこだわっているのは、アーティストの狂気。先週末ももう一回見た」
とお客さんの前でもよく言っている。
彼は、毎回見るたびにその映像クオリティを観察し、アウトプットの質について意識を新たにしている。
また、少しでもコンサルに生かせるようなメタファーを得るためにも見続けている。


そこで、僕からも紹介するとしたら、映画版「マクロスプラス」を置いて右に出るものはいない。
「エクスキマナ」「アップルシード」「攻殻機動隊」などもクオリティという面では、めちゃめちゃインスパイアされる。


・マクロスプラス

なんといっても、マクロスプラスは、音速で飛ぶ戦闘機同士の戦闘シーンが感動モノ。
映画「ステルス」の戦闘シーンも好きですが、CGを一切使わず、サザエさんやドラえもんと同じ、純粋なセル画アニメで、このクオリティはやばい。
人生でブルっときた経験のひとつ。いまでも見返す度に、鳥肌が立つ。
ぜひ、全編を見ていただきたい。


最近読んだ本

仕事以外に読む本が少なくなっていますが、最近読んだ本を紹介して、〆にします。


ブライアン グリーン
『エレガントな宇宙―超ひも理論がすべてを解明する』
エレガントな宇宙―超ひも理論がすべてを解明する
白いカバー・デザインとタイトルに惹かれて、高校時代に購入し、本棚に眠っていた本。
ニュートンの基礎物理学から、相対性理論、量子力学、ひも理論を体系的に解説している。
説明が回りくどく、例えに使う比喩も若干わかりにくい。大学理系向け。
一夜漬けにしろ、大学時代に勉強したことは無駄ではなく、8割がた理解できました。


宇宙と人間は、僕の読書・思索の永遠のテーマ。
先日、就職活動生向けのセミナーでも、哲学書の紹介をしましたが、
宇宙関連や哲学系の本は、誰しも読んでおくべきだと思う。
見える世界が、きっと変わる。


ちょっと、まとまりがなくなったけど、今日はこのへんで。